2014-02-14
入れ歯の上手い下手は簡単に患者さんにも分かってしまうので、それでご紹介いただけるのは本当にうれしいことだと思っています。
今日は入れ歯の型取りの話をしようと思います。
当歯科では入れ歯の型取りを、通常は2回に分けて行います。
これは「個人トレー」といって、その方専用の型取り装置です。
1回目の大まかな型取りでこの個人トレーを作ります。
そしてこの個人トレーを使って
正確な型取りを行うのです。
どうして個人トレーを使うのかと言うと、理由は大きく分けて2つあります。
ひとつは入れ歯の形を正確に作るためです。
上の写真は型をとったトレーの写真ですが、これがそのまま入れ歯の形になります。
こういう作り方をしないと、いったいどこまで入れ歯を大きくしていいのかさっぱり分からなくなります。
そして、やたら大きな入れ歯になったり、とても小さな入れ歯になったりします。
総入れ歯の場合は、この型取りの作業がとても大事です。
これがうまく取れていないと、出来上がってから修正することはほぼ不可能なんですね。
だから私も型取りの時にはすごく集中して時間がかかります。
一度始めたらかかりきりになってしまうので、他の患者さんを待たせてしまうこともしばしばです。
確かに手間もかかって大変なのですが、しっかり作れば患者さんも喜んでくれるので、ここで手は抜けません。
二つ目の理由は、型を取るときに使う型取り剤の量をなるべく少なくするためです。
別にケチっているわけではなくて、型取り剤の量が少ないほど変形が起こりにくいので、よりしっかり合うようになるのです。
恥ずかしながら、昔は入れ歯が合わないのは技工士さんのせいかと思っていました。
でも、型がきちんと取れていないと、どんなに技工士さんがきっちり作っても、いいものができるわけありません。
今はおかげさまで、いい技工士さんにも恵まれて、最高の入れ歯を提供できるようになりました。
もし入れ歯でお困りの方がいれば、お待ちしています。