保険の入れ歯は、レジンというピンクの硬い素材で作られています。硬いレジンが歯茎に触れるため、保険の入れ歯では痛みがあり、しっかり噛めずに歯医者で何度も調整を繰り返し、お悩みになっているという患者様も多くいらっしゃいます。
硬いレジンの入れ歯の調整は、歯茎に当たると痛い部分のレジンを削って行います。調整してすぐは痛みが無くなったように感じられますが、患部の荷重を他の部位が負担することになり、その結果、他の部位が新たに痛み出してくることもあります。
痛みが出るたびに内面を削る調整を繰り返していくと、型取りして作った入れ歯の粘膜面の形から大きく変わることになり、歯茎に当たる部分を削ると、歯茎の粘膜面と入れ歯の粘膜面に隙間ができます。歯茎と入れ歯との間に隙間ができたことで、痛いだけではなく、隙間だらけの入れ歯と歯茎の間に食べ物という「異物」がたくさん入りこんでくることになります。
歯茎と入れ歯の間に異物が入ると、とても痛い思いをすることになってしまいます。
そんなお悩みを解決できるのが、歯茎に触れる部分が柔らかいことで痛みにくいシリコン入れ歯です。シリコン入れ歯はレジンの粘膜面に柔らかな生体シリコン加工をした入れ歯です。特殊な技術で咬合力が加わる粘膜面にシリコンをコーティングすることで、シリコンが歯茎に加わる力を和らげるクッションのような役割を果たします。
院内で型取りしたものをオーダーメイドでお口の中に合わせていき、やわらかいクッション素材で覆う加工をしていきます。
シリコン入れ歯も、型取り・噛み合わせ確認・試適(仮合わせ)など、出来上がるまでの工程は保険の入れ歯と途中までは同じように行います。保険の入れ歯は、試適の次が最終入れ歯の完成・装着となりますが、シリコン入れ歯は完成の前段階として大切なプロセスがあります。完成寸前の入れ歯の粘膜面に「粘膜調整材」を入れることです。これこそが、痛みを軽減させるための大切なポイントです。
粘膜調整材を入れてから当面の間は、調整剤入りのまま入れ歯を使っていただきます。粘膜調整材は柔らかい状態を保ちながら動的印象を行います。入れ歯を使いながら、食事をしたり、お話ししたりすることで、一般歯科医院では行わない機能的な形態を入れ歯に取り入れていきます。痛みが無くなったら、その痛みのない状態の入れ歯を技工所に預けて、シリコン入れ歯の完成に進みます。
保険の入れ歯は痛さやゆるみなどが原因で、しっかり噛めないというお悩みを多く聞きます。 コンフォート義歯の歯茎に触れる部分のシリコン部分の弾性率(やわらかさ)は、0.8MPa程です。対して歯茎の弾性率は0.6〜4.3MPa程なので、シリコンは薄い粘膜に近い柔らかさです。プラスチックの入れ歯では歯茎にかかりやすい負担を、柔らかいシリコンによって緩和することができます。
硬いレジン入れ歯は「床ずれ」のように歯茎と入れ歯が擦れることで歯茎に傷ができてしまい、痛みの原因になります。
コンフォート義歯は柔らかいシリコンが歯茎にかかる圧を減らすことで、噛んだ時の痛みが軽減します。硬いものも噛めて、食べるものに制限はありません。
歯科大学の研究で、シリコン入れ歯を使用する方の咀嚼能力が向上し、食べられる品数も多くなっていると報告を受けました。痛みが少ないシリコンのおかげで噛んでいる時間が長くなっているのが要因の一つと考えられます。
シリコンの柔らかさは歯茎の粘膜に近いと言われているため、しっかり噛んでも歯茎に負担が少なく、咀嚼機能の回復を達成します。
お口の中で型取りして作ったシリコンのやわらかさと弾力は、吸盤のような働きで噛んだ時や側方の動きで歯茎に吸着してピッタリと安定します。食事や会話の時にも外れにくく、入れ歯と歯茎の間に挟まることが多い、いちごの種などの細かい食べ物でも、安心して食べられます。
入れ歯が完成した後の、入れ歯の痛みを無くしていくために必要な通院や調整回数は、一般的な保険の入れ歯が6回くらいかかるのに対して、シリコン入れ歯は2回くらいで済むというデータがあります。
つまり、患者様の身体的負担・時間的負担を軽減させることが可能となります。
義歯本体のレジンに接着材を着けてシリコン裏装の加工を施すシリコン入れ歯は、接着面からシリコンが剥がれることがあります。個人差はありますが、2〜3年ほどに一度、入れ歯の状態によっては入れ歯をお預かりしてシリコン加工(シリコンの引き直し)が必要となる場合があります。
シリコンは内面構造が粗いので「カンジタ菌」が付着しても菌の除去が難しく、不衛生になってしまうことがあります。
汚れをしっかり落とすためにと義歯ブラシで磨くことにも注意が必要です。市販の多くの義歯ブラシは毛先が硬く、シリコンを傷つけてしまいます。傷がつくと汚れがつきやすくなり、シリコン面が剥がれたりします。
シリコン入れ歯専用の入れ歯洗浄剤や、毛が柔らかい義歯ブラシもあるので、そういったものを使用する必要があります。入れ歯洗浄剤にはたくさんの種類がありますが、
当院ではカンジタ菌除去も可能な入れ歯洗浄剤をおススメしています。
さらに超音波洗浄などの複数の洗浄をすることにより、より洗浄効果が増します。
片顎(上あご または下あごのどちらか)の歯が1~2本ない方
※片顎で2本以上歯を失っている場合は対応不可
・インプラントは怖い
・ブリッジは歯を多く削るのでイヤだ
・少しでも早く歯を入れて欲しい
歯を1~2本だけ失った際にはブリッジという何歯分も繋がった差し歯を入れる治療も可能ですが、ブリッジを入れるためには残存歯を大きく削らなければなりません。せっかくの健康な歯の寿命を縮めることになり、勿体無いのです。
インプラントを選ぶとすると、外科手術を受ける必要があり、怖く不安な気持ちになってしまうこともあるかと思います。
そこでお勧めなのがこちらの「ソケット」です。ソケットを作る際は外科手術の必要はありませんし、歯を削る必要もありません。
歯科医院で型取りをして、短い期間で完成します。
インプラントやブリッジと違い、最低2回の通院で完成するので、すぐに必要な場合や、インプラントなどと比較して迷われている時でも、手軽に選択することができます。
歯茎と同じ色の素材を使っているので、口を開けたときに入れ歯を着けていても目立ちません。やわらかいクッションと同じで軽い素材になります。噛み心地抜群で、装着しやすい部分入れ歯です。
片顎(上あご または下あごのどちらか)の歯が3~13本ない方
※片顎で歯をすべて失っている場合は対応不可
・インプラントは怖い
・入れ歯の針金が目立つのでイヤだ
・入れ歯でおいしい物を食べたい
保険の部分入れ歯は、残存歯に金属のバネを掛けて入れ歯を固定する為、失った歯の位置によっては金属のバネが見えてしまい、入れ歯であることが目立ち、見た目が美しくありません。
当院のシリコン入れ歯は、バネがなく歯茎と同色の材質を使用している為、お口を開けても着けているのが目立ちません。
お口の中の形に合わせた、オーダーメイドのやわらかいクッションが、入れ歯でしっかりと噛み締められる生活を提供します。
奥歯・前歯のどの部分でも上下のどちらかで3本〜13本まで歯が無い場合、幅広くお使いになれます。 1~2本の歯がない場合は部分入れ歯、全ての歯がない場合は総入れ歯になります。
片顎(上あご または下あごのどちらか)の歯が1本も残っていない方、または歯が1本も残らず全て抜歯予定の方
※片顎で1本以上歯が残っている場合は対応不可
・総入れ歯がゆるい、痛いなどお悩みが続いている
・歯をすべて失ってしまい、痛くない総入れ歯がほしい
入れ歯の内面を特殊なシリコンで覆い、噛み締めた時の痛みを軽減します。シリコンの弾性が吸盤のような機能を生み出して、入れ歯の動きに対しても吸着力が働き、総入れ歯のゆるみを無くしていきます。その結果、食事時に食べかすが入れ歯と歯茎の間に入りにくいと言われています。
保険の総入れ歯と違い、歯茎の部分に薄い金属を使うこともできます。金属を使用することで入れ歯の厚みが薄くなるので、違和感が軽減されます。また、金属は食べ物や飲み物をお口に入れた時に、温冷を感じやすく、お食事が快適になります。
総入れ歯で咬合力にも耐えることができ、入れ歯を落下させてしまった時にも、破折や破損に強く丈夫です。