歯茎の色について

歯茎の色が気になる患者様へ

歯茎は意外と見られています

歯茎は意外と見られています

「歯の色」が他人に与える視覚の情報は、その人の印象を大きく左右します。歯の色が黄色い、黒いといったふうに、白以外の色をしていると「汚い」「不潔」「だらしない」「老けて見える」といったマイナスの印象が強くなってしまいます。

実はそんな歯の色と同じように、歯茎の色も人に与える印象を大きく変える部分なのです。「確かに、芸能人のあの人は、歯は真っ白なのに歯茎の色が悪く、見るたびに気になる・おかしい」と思うなど、心当たりもあるのではないでしょうか。

当院でも患者様から、歯茎が黒い、歯茎が変色している、歯茎の色が悪いのできれいにできないかといったご相談を受けることがあります。入れ歯の治療においても床(しょう)という人工歯茎の部分をきれいにしたいという方もいらっしゃいます。

歯茎が健康的なピンク色から黒や紫などの色に変色してしまう原因や、その治療方法について・当院の精密入れ歯の床について、詳しくご紹介いたします。

歯茎の変色の原因と治療方法

歯茎とは

歯茎とは

そもそも歯茎とは、歯肉(しにく)や歯齦(しぎん)とも呼ばれる、歯の周りを覆っている肉の部分です。歯茎と歯肉がよく聞く名称だと思われますが、その2つに違いはありません。

歯の周りにピッタリと密着し、歯を守ることで、歯の中に菌が侵入するのを防いでいます。また、噛み合わせる力を吸収してくれて、大きな衝撃から歯を守っています。

とても大切な役割のある歯茎は、約60%がコラーゲンでできています。コラーゲンは加齢とともに減少すると言われているため、歯周病に気をつけていても、多少は加齢が歯肉退縮に影響を及ぼすことが考えられます。

健康で美しい歯茎は、血行の良いハリのある状態で、ピンク色をしています。もちろん生まれついての個性によって、人による多少の色の差異はありますが、口腔内環境の悪化や様々な疾患などによって、健康状態は損なわれ、歯茎の色が変色します。

歯茎が変色する原因

金属の差し歯による歯茎の変色(歯茎が黒くなる)


金属の差し歯による歯茎の変色

金属の差し歯や、金属製の差し歯の支台や、インプラントといった補綴物を入れると、その周りの歯茎が黒くなったり、紫色になったりします。

これは金属イオンが歯茎に移ることによって起こる変色です。こういった変色のしかたを「メタルタトゥー」と呼びます。

少量ずつ金属が溶け出し、歯茎に入り込んでいることで起こる変色なので、金属アレルギーを引き起こす原因となる可能性もあります。

歯茎だけを元のきれいなピンク色に治す治療を受けたとしても、金属が入ったままではまた変色を繰り返してしまいます。

メタルタトゥーを治したい場合は、金属を除去して根本的に解決することがおすすめです。

金属の差し歯による歯茎の変色

差し歯の場合は、コアという支台を金属製のメタルコアではなく、樹脂製のレジンコアに変え、金属の差し歯はセラミックに変えることで、金属を使わずに治療することができます。

金属の差し歯による歯茎の変色

また、通常はチタンという金属で作られる人工歯根や支台の部分を、セラミックで作られたものに変えることで、メタルタトゥーの原因となる金属を使用しないインプラントが入れられます。

差し歯やインプラントの治療を受ける前には、メタルタトゥーのリスクも考慮して、どのような素材のものを使うか決めるのが良いでしょう。

メラニン色素沈着による歯茎の変色(歯茎が黒くなる)


メラニン色素沈着による歯茎の変色(歯茎が黒くなる)

肌が日光を浴びると黒く日焼けするように、歯茎も同じように色素が沈着すれば黒くなってしまいます。

歯茎の場合は長時間日光にあたることでメラニン色素が増えるということは考えにくいですが、メラニン色素が増える原因は日光だけではありません。

歯茎がメラニン色素の沈着によって黒くなる原因の多くは、喫煙にあります。煙草によってメラニン色素を分解するビタミンCが破壊され、メタルタトゥーのように一部の歯茎だけではなく、歯茎全体の広い範囲が黒くなります。

また、タバコの一酸化炭素によって歯茎の中の毛細血管が酸欠状態になることで、血行が悪くなり、紫や黒っぽい色に変色することもあります。

こういった歯茎の変色を解決するには、「ガムピーリング」という治療が有効です。

ガム(=歯茎)をピーリングする(=剥く)という治療で、薬剤を使う方法・レーザーを照射する方法の2つが主に挙げられます。

どちらのガムピーリングの方法も、変色の度合いによって数回行います。効果には個人差があるため、1度の治療で見違えるようにきれいな歯茎に戻ることができる方もいれば、何度か治療を続ける必要がある方もいらっしゃいます。

メラニン色素沈着による歯茎の変色(歯茎が黒くなる)

薬剤よりもレーザー治療のほうが歯茎へのダメージが少ないのですが、どの方法も、確実に即日できれいな色にできるということではありません。したがって、大切な用事までに歯茎の色をきれいにしておきたいというご要望がある場合は、期間に余裕を持って治療を開始できるようにしましょう。

歯周病による変色(歯茎が赤黒くなったり、紫色になる)


歯周病による変色

歯茎や顎の骨の病気である歯周病にかかると、歯茎は炎症を起こし、退縮していくことで歯に密着する面積が小さくなり、色も変色していきます。歯磨きが不十分で歯垢や歯石などの汚れ(プラーク)が歯に溜まり、歯茎が炎症を起こすと、歯茎が赤く腫れてブヨブヨとした状態になり、赤っぽく変色します。

さらに歯周炎がひどくなり、顎の骨が溶けるほど歯周病が進んでしまうと、赤から赤黒く歯茎が変化していきます。

また、重篤な歯周病になると、本来歯茎で覆われていたはずの歯の根元が晒され、そこに歯石が付着します。根元付近に付着する歯石には血液が混じり、黒や濃い茶色の縁下歯石(えんかしせき)となります。黒い縁下歯石や虫歯で黒くなった部分が歯茎から透けて見え、歯茎がさらに黒く変色したように見える場合もあります。

歯周病による変色

歯茎の炎症を治し、きれいなピンク色の歯茎を取り戻すためには、歯周病の治療が必要です。

歯ブラシで落としきれていなかった歯垢はもちろん、歯科医院でしか落とせない歯石をきれいに除去し、歯周病菌の繁殖を防ぎます。

歯がぐらつくほどの酷い歯周病になってしまったら、クリーニングだけで美しい歯茎を取り戻すのは難しいので、歯肉移植や骨の再生術など、外科的治療が必要になる場合があります。

歯の変色で歯茎が変色して見える(歯茎が黒くなる)


歯周病による変色

神経が死んでしまったり、歯列矯正によって力が加わって内出血したりした状態の歯は、黒ずんだ色に変色します。

その歯の色が歯茎から透けてしまい、歯茎まで黒ずんだ色に変色したように見えることがあります。

この変色を治すためには、歯茎ではなく歯の変色を解決する治療をしなくてはなりません。

歯を白くするための方法には、ホワイトニングという治療があります。歯の表面に薬剤を塗布し、特殊なライトを当てることで歯に染み込んだ色素を抜く治療です。

ホワイトニングは比較的手軽に行える治療ですが、効果に個人差があり思い通りの色にするには難しく、白さが長持ちしないというデメリットがあります。

また、神経が死んでしまっている歯の変色を治すためのウォーキングブリーチという治療があります。歯の内部に薬剤を詰め、歯を漂白する治療です。こちらも思い通りの白さにできるとは限らず、骨が溶けてしまうかもしれないというリスクがあります。

歯周病による変色

どうせ歯を白くする治療を受けるなら、思い通りの白さを選びたい・歯の形も大きさも角度も一緒に治したいという方にオススメなのがセラミッククラウンやラミネートベニヤを被せるセラミック治療です。

変色した歯を削って陶器製の差し歯を被せる方法です。

歯を削りたくないという方には向いていない治療ですが、そもそも神経が死んでしまっている場合は、差し歯の治療が必要になるケースが多いので、「どうせ差し歯を入れるのなら保険の差し歯より美しく丈夫な差し歯を入れたい」と思われる方にはおすすめの治療方法です。

>> セラミック治療について詳しくはこちら(専門サイトが開きます)

歯茎にできものや傷のようなものがある(歯茎が白くなるなど)


歯周病による変色

歯茎が白くなるのには様々な理由があります。

まず、歯茎に白いニキビのようなできものができ、そこから白い膿が出ているような場合は、フィステルという排出孔ができている可能性が高いです。

歯の根っこの中に菌が入り込み、根尖部分で炎症が起こり、行き場をなくした膿が歯茎を突き破って出てきている状態です。放置して膿の繁殖が進行すると、歯が抜けてしまうこともあります。

歯の根っこの中の治療を行い、炎症を抑える必要があります。

歯周病による変色

次に、白いできもののように見えることもあるのが骨隆起という、顎の骨が変形した状態です。

歯ぎしりや食いしばりによって顎の骨に強い力が長い期間加わり続けると、骨の一部が出っ張って、白っぽい色でぼこぼこした形になります。

出っ張りに歯茎が押されることで白くなり、出来物ができたように見える場合があります。

骨隆起はできてしまっても食事など生活に支障がなければ、直ちに治療が必要というものではありません。

しかし入れ歯を作ることになった場合は、骨隆起が邪魔をして入れ歯が安定しない・入れ歯が骨隆起に当たって歯茎が痛いなどの問題が発生するため、骨を削る外科処置を行うこともあります。

歯周病による変色

歯茎が白くなる症状の中でも気をつけていただきたいのが、白板症という病変です。

頬粘膜や舌にできることもある白板症は、悪性化して癌になってしまう可能性があります。痛みがなくても、白板症に気がついたら歯科医院を受診して検査を受けましょう。

入れ歯の歯茎の色もキレイに

入れ歯の人工歯茎「床(しょう)」とは

「床(しょう)」とは

入れ歯の歯茎を覆うピンク色の部分を床(しょう)と言います。

床が歯茎に触れる面積が広いほど入れ歯は安定しますが、大きすぎると口の中に入れたときの違和感が強くなってしまいます。

反対に、床が小さくて薄いほど、口の中の違和感は抑えられますが、安定感が損なわれます。

安定しつつ、違和感のない入れ歯を作れるかどうかが、入れ歯作りにおいて重要なポイントとなります。

床が変色する原因

床を作るための素材には様々なものがありますが、保険の入れ歯の場合はプラスチックを使って作らなければならないと定められています。

プラスチックは強度があまりなく、食べ物の色が染み込みやすい素材です。使っているうちに劣化し、本物の歯茎とはかけ離れた色になっていってしまいます。

また、新品でも保険診療では色にこだわって作ることは難しいと考えられます。なぜなら、保険の入れ歯はどんなに美しく作ったところで、保険の診療点数が加点されることがないからです。診療点数が加点されないということは、時間をかけるだけ歯科医院にとって損でしかありません。そのため、保険診療で入れ歯を作る際には、完成までの早さを重視して流れ作業的に作成していくということになりがちです。

美しい入れ歯の実現

本物の歯茎と見分けがつかないくらいに美しく、人から見られても入れ歯とはバレないくらい自然な見た目の床の入れ歯を入れたいとご希望の方には、自費診療の精密入れ歯がおすすめです。

診療点数に左右されず、じっくりと時間をかけて、患者様の歯茎の色に合わせるだけではなく、お顔の印象がよくなるように、全体的なバランスを見て美しく仕上げていきます。

機能面ではもちろん、審美性にもこだわれるのが自費診療の入れ歯作成のメリットです。

症例集


ビフォー


アフター


残っているご自身の歯がぐらつき、入れ歯も安定しないため、作り直しをご希望でした。

バネが目立ち、床の部分もいかにも作り物の歯茎という見た目の入れ歯でしたが、血管の透け具合までリアルに再現した精密入れ歯で、見た目と機能性の問題を一気に解決することができました。

施 術 名    │精密入れ歯治療
料   金    │25万円~45万円(治療費は入れ歯の材質などによって異なります)
考えられるリスク │調整を怠ると歯肉に痛み、噛みにくさなどを感じることがあります。定期検診を受診してください。

ビフォー

アフター

虫歯と歯周病が進行し、上の前歯を抜歯する必要がありましたが、バネが目立つ入れ歯を入れたくないとご希望だったため、バネを使用しないノンクラスプデンチャーを作成いたしました。

部分入れ歯のため、通常はバネだけでなく床の境目ができてしまい目立ちますが、患者様のもとの歯茎の色や模様を細かく再現したため、近くでよく見ないと入れ歯だとわからないほど自然で美しい見た目にすることができました。

施 術 名    │精密入れ歯治療
料   金    │25万円~45万円(治療費は入れ歯の材質などによって異なります)
考えられるリスク │調整を怠ると歯肉に痛み、噛みにくさなどを感じることがあります。定期検診を受診してください。

ビフォー

アフター

元の入れ歯は咬み合わせが大変悪く、見た目ものっぺりとした濃すぎるピンク色が作り物感を強めていました。

精密入れ歯で対応したところ、見た目が改善して若々しくなったし、しっかりと安定して何でも食べられるようになったと大変ご満足いただけました。

施 術 名    │精密入れ歯治療
料   金    │25万円~45万円(治療費は入れ歯の材質などによって異なります)
考えられるリスク │調整を怠ると歯肉に痛み、噛みにくさなどを感じることがあります。定期検診を受診してください。

歯も歯茎も本物の歯のような見た目で美しい精密入れ歯へのこだわりについては、こちらでも詳しくご紹介しております。

>> 入れ歯の審美性を高めるための当院のこだわり

綺麗な歯茎の色でいい印象へ

博多プライベート歯科にお任せください

博多プライベート歯科では、入れ歯治療だけではなく、セラミック治療などの審美的な治療も行っております。

見た目にこだわる治療を専門的に担当する医師と、入れ歯作りを専門的に担当する医師、数多くの入れ歯を作成し技術を磨いた技工士など、全スタッフが連携し、患者様にご満足いただける治療をご提供いたします。

意外と人からチェックされている歯茎の変色でお困りの際も、入れ歯の見た目でお悩みの際も、まずはお気軽にご相談ください。

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